ジャンゴアトゥール[アナザーライン]より、
クラシック フレンチワーク ヘリンボーンインディゴリネンコート の入荷です!
大変に長い名前の本作は、
貴重な1920年代のフランスのインディゴリネンコートをベースに
解体と創造を繰り返し ANOTHERLINE らしい一着へと仕上げたものです。
ジャンゴアトゥールのブログ内では本作の製作経緯に触れています。
その中に登場するアナザーラインコートは当店のお客様が着用されているもので
実物はご愛用の痕跡がいたるところに見て取れるくらいに
着込まれているんですよ。
愛着を経年変化という形で受け止め、
修繕の跡もまた、一着の服の存在感として成立させ得る服。
ジャンゴアトゥールの服づくりは、
耐久性やスペックという数値的なこと以上に
ずっと精神的な面で付き合い続けられるものなんだなと
再確認できたご愛用ぶりでした。
本作はそのアナザーラインリネンコートに
フレンチワークのエッセンスがさらに注がれたような雰囲気を持っています。
フランスアンティークで見られる襟元のボタン留めの意匠に
ジャンゴ的なショールカラー気味な襟との組み合わせは
本作の特徴的な箇所の1つでしょう。
異なる2つの胸ポケットと容量大きめなサイドポケットも雰囲気満点です。
ボトムへと通じるサイドの差し込み口にサイドベンツ仕様なのもまた
ワークの雰囲気を色濃く感じさせるディテールですね。
そして、本作の魅力を一層強めているのが、
輝くようなブルーの濃淡と艶のある質感が美しいインディゴリネンの生地。
本作は、CLASSIC FRENCHWORK HERRINGBONE INDIGO SHIRT <AL>
と同じ生地を使用し、色目も同じではあるのですが、
ワンウォッシュの洗いこみをシャツの時よりも少し強めにかけているとのことで
生地の風合いも少し柔らかめ、
コートとしての面積に対しベストな仕上がりとなっています。
シャツのときにも感じていたことですが
このインディゴリネンの生地って、ステッチワークが映えるんですよね。
様々な形のポケット、背面ベルト、プリーツの深さや数、襟とボタン。
個々の要素は変化に富みながら
全体との関係を探るように慎重に置かれています。
各要素をあるべき位置に導くステッチワークも、
服全体へ効果的に効いているのを感じ取れることでしょう。
この服を前にすると、その配分の美しさに心を掴まれるものがあります。
生地をキャンバスに、ステッチワークで命を吹き込んでいく。
美しい平面構成の作品を見ているような感覚に包まれました。
そして一度着れば、
構成の美しさがもいささかの不合理もなく機能し
一着の服として軽くしなやかに踊るのです。
「クラシック フレンチワーク ヘリンボーンインディゴリネンコート
CLASSIC FRENCHWORK HERRINGBONE INDIGOLINEN COAT <AL> 」
( Django Atour , ANOTHERLINE PRODUCTS )
やはり、大変に長い名前です。
でも服を手にしてみると、
それぞれのフレーズが指す要素はどれも外すことができないんだなって
感じていただけるはずです。