心底気に入ってしまった「クラシックパリダスター」。
通常は36(S)を選ぶことが多い僕も
中にジャケットやセーターを合わせる場合は
ワンサイズアップもありですね。
ワンサイズ上を着用すると
ロングコート感が強まって、かなり好みです!
コート類は好きでいくつか持っていますが
そのどれとも似かよっていないのが独特の着心地。
どのようにでも合わせられる自由さ。
総裏地で仕立てた質感の珍しさ。
ひらひらさせたくなる適度な重さ。
そういう、いろんな要素が混ざりあって「楽しい」と感じる
Django Atourのアナザーラインは“アンティーク・クローズの解体と創造”をコンセプトに掲げているシリーズ。
過去にリリースされてきた個性的なアイテム群と比べると
初見の「パリダスター」は比較的あっさりとした印象。
聞けばこのコートのデザインソースは
1920年代、パリメイドのロングレングスダスターコートだそうです。
(当時の素材使いとしては珍しいジャージ素材!)
その再構築にあたっては
「歴史の服にはその時代を反映した流行ものと自分の感性であつらえたものとがあります。
今回は後者であろう資料に敬意を持って再構築させて頂きました。」
とのこと。
コートっぽくないのは、何だかとても納得。「楽しさ」の正体が見えてきました。
細部を見ると
運針はとても細やかで繊細。
当時の縫製のリアリティを感じる仕上がり。
反して素材感は、広く一般に受けいれられようというより
すごく個人的な好みを反映した特別なプライベート感が漂います。
昔の服になればなるほど、ごく限られたターゲットに向けて仕立てられていたわけで
そこには思想だったり感性だったりが色濃く反映されているもの。
その当時の「感性」を抽出し、Django Atourのエッセンスで組み上げる。
当時の感性までも再構築しようとは何て挑戦的なんだろう!
あらためて、アナザーラインの深さを感じます。
…と、ここまで書きながら、「楽しい」と感じた着心地の「根っこ」が
感性に触れ、取り入れられる「楽しさ」であることに気付きました。
音楽にしても、絵にしても、そして服にしても
人の感性に触れるのはドキドキしますよね。