今日は、入荷してからご紹介していなかったこちら…「オイルショップ リネンコート」と言います。
一見ワンピースにも見えるこのコート。
「とにかく実物を見てみたい!」というのが
入荷を決めた理由なのですが、
そのぐらい特徴的なディテールとストーリーを持った服なのです。
服の名称にもなっている「オイルショップ」とはガソリンスタンドのことです。
このコートは1910年代のショップコートとフレンチワークジャケットを解体・再構築してできています。
僕たちが想像するコートは前開きとなるのが一般的ですが、
当時、多数の機材に囲まれメンテナンス作業に追われるスタッフにとって、
機械への巻き込みや動作上の理由から
通常の前開きコートでは作業の邪魔になる場合もあったのでしょう。
裾が閉じた独特の形状は、そういったごく限られた着用環境で生まれ、
魅力的な衣類として成立しています。
多くの人にとって
プルオーバータイプ(上からかぶって着る仕様)の上着は
着脱の不便さを感じさせるものですが、
こちらのコートはボタン全開で腰付近まで開きますので、
着る時も、脱ぐ時も、ストレスは感じません。
実は僕自身プルオーバーものが好きでいくつかもっているのですが、(←それも入荷を決めた理由の一つなのですが…)
今まで着用してきた同仕様の衣類のなかでも
上記の仕様や、優しくも丈夫なリネンの素材感からか屈指の快適さでした。
素材には「ずっしりと重みのある良質のリネン」を贅沢に使いつつ、要所に「天然貝ボタン」。
寒暖の差にも応用が利きますので、
オールシーズン自由な発想で重ね着を楽しんでいただけます。
そうして着用を重ねるごとに、着用者のくせが刻まれたコートは
一層味わい深い表情に変化していくことでしょう。
ときには屈み、膝をつき、作業にあたっていたに違いない
当時のオイルショップスタッフの仕事ぶりを物ともしない
おおもとの機能性を感じつつ、
アクティブに着用してほしい一着です。
どんな風に着るか、想像力をかきたてる、
(個人的にもかなりグッとくる)
男性にとっては手強くも、なんとも魅力的な一着です。