このところ日差し自体は柔らかく
春の気配を感じるようになってきましたね。
抜けるような青空の下、桜が見れるのももうすぐでしょうか。
今日は春が待ち遠しいこれからにぴったりのコート…
「クラシック ファーマーズ コート(Classic Farmers Coat)」
1940年代のドイツ軍のミリタリーフードコートをベースに
1910年代のフランスのファーマーコートを意識してデザインされているという
なんとも不思議な取り合わせのコートです。
美しい藍染めの鮮やかさが一際目を引きますが、
なんといってもこのコートの特徴は
服自体の構造とそれによって生み出される
着用時のシルエットにあります。
袖の付け根付近を見ていただくと分かるのですが…
あれ!?袖の縫い合わせがない…!
と言っても、ラグランタイプの袖付きをしているわけではありません。
全体を前後でくっつけたような構造をしているのです。
脇部分には、服好きがドキドキする(僕だけか…?)、
ダイヤ型をした美しい接ぎ部分があるのですが、
これが運動性を高める要の部分であると同時に
持ち主のみが密かに楽しめるディテールとなっています。
着用すると、服を着ているというよりは、
一枚の大きな布地を
ふわりと羽織ったような着心地。。。
首もとを中心に
独特の波打つようなしわが放射状に広がり、
表面にはブルーの濃淡が模様のように浮かびつつ
美しいAラインのシルエットを作り出します。
小ぶりながら、立たせても寝かせても凛とした襟形状、
美しい布の重なりを見せる背中のギャザー、
人体そのもののように、ボディから繋がる自然な袖の流れ。
各パーツが見事に組み合わさって
着用者との美しい一体感を生み出す魔法のようなコートです。
素材そのものも見事です。
藍染した糸を高密に織り上げており、
日の光の下では、鮮明でありながらも優しい発色が素敵です。
たくさん着て、汚れたら気兼ねなく洗って、
藍染め特有の色の変化を楽しみながら、
いずれはその人のためにあつらえたような
オンリーワンな一着に育っていってくれそうです。
ちなみに「青」という色は、
「空の青」でもあり「海の青」でもあることから
人間に(というよりは生命全体に)密接に関わりのある色です。
あらゆる国・人種・文化を越えて、皆が好感を持つ色でもあります。
これからの季節
青空よりも青いブルーはどこかメルヘンチックで、
非現実的な雰囲気を漂わせこのコートは、
外出を何倍も素敵な時間にしてくれるに違いありません。
舞い散る桜の景色のなかでも映えるだろうなぁ。