今日はちょっと特別。というのも、これからご紹介するのは
個人オーダーだからです。
水面下で動いていたジャケットのご紹介です!(作例としてご覧ください。)
ヴィンテージウェアの中から僕の好きな要素を伝えつつ、
お二人の持ち味と目線で作ってもらいました。
僕はヴィンテージの服は好きですが、それらの完全再現や実名復刻を謳うレプリカを着たいわけではないのが困ったところ。
これから先、着ていきたい服としてはむしろ、かつてはそういうものがあったという事実を手引きとして過去に生まれた服に敬意をはらいながら現代の感覚で咀嚼してあるものに惹かれます。
加えて、ライダースは〝一張羅〟的というか「誰ともかぶりたくないもの」として捉えられることもあってオーダーメイドは必然的といっていいかもしれません。
素材はバケッタというレシピでなめされた革です。ボタンは一点づつ真鍮を切り出し、叩いてアールをつけ、磨き・燻しを加えた手の込んだもの。パターンは適度な余裕を持たせつつ、僕の体型に添わせてもらいました。
各部分の仕様も凝ったもので、外すこともできる腰ベルトは背面を丸ごとループとして利用。ベルトの有無それぞれで成立するように作られており、内ポケットの縁に付くフリル状のデザインは飾りであると同時に入れたものが外で脱落するのを防ぐ実用性も兼ねています。
オーダーメイドは依頼主の体型が基準。ということは例えば、身体に添うようなシルエットを望む場合、ここまで「攻めた形」に持っていくことも可能になります。
一見するとかなりタイトな着心地を想像されるかもしれませんが、着用者の体型を基準に作られているため日常的な動作や、バイクで移動する際にも窮屈さを感じることはありません。この辺はオーダーならではのサイズ感でしょう。
こうして、完成品を目の当たりにして感じるのがモノとしてはもちろん、「イメージを形にする」という意味での完成度の高さ。
依頼者のニュアンスを汲み取る能力と製品に結びつける工夫と熱意があります。
お二人が稀なのはここまで仕立てる技術を持ちながら「こうでなくてはいけない」的な枠にはまらず、制作に対してとても自由でピュアな感性を持っている点です。
彼らの生み出すアイテムとその魅力を広める応援をしていければ良いなと思います。
などと、色々考えてしまうくらい出来上がった成果品は素晴らしく、「自分のためだけ」の衝撃は凄まじいものがあります。
「 skunk works , armadillo works」
ご興味のある方はイベントでお声をかけてみても良いですし、
(※近日では、10/12(日)の「真岡門前びわ市」にも参加されるとのこと)
僕のオーダー品はマメチコ店内で見れますので、
興味を持たれた方には
お二人をご紹介することもできます。
特殊な世界だと感じるオーダーメイドですが
〝作る側〟と〝頼む側〟
一対一のシンプルな関係で出来上がるのって
僕は素敵なことだと思います。
「依頼したその人にとってこそ、世界で一番価値がある」
価値観が多様な現代にあって、基準を自分自身に置いて完成する
そういう服や道具には、掛け値なしの魅力があります。