こんにちは、雑貨屋マメチコです。
こちらの写真画像は、これからショップに並ぶのを待つドレスたちです。30年近く経過した今でもピンとした綿ローン、レース、カツラギ。細密画のような1mmピンタック。
ご縁に恵まれ、このたび80年代~のたいへん貴重な、デザイナー金子功さんが直接手掛けていた時代のPINKHOUSEが多種入荷いたしました。
かねてより私が考えていたことは、アメリカ、ヨーロッパ等海外のアイテムだけでなく近年私たちが生きてきた日本の文化の中にも
「将来のアンティーク・ヴィンテージたりうる物」は沢山あるという事です。当店が取扱中のメンズブランド「DjangoAtour」や「Workers」が
ヨーロッパ、アメリカ本土の文化を重視しながら純日本の国産の力にこだわりを持つように、チョコレートや文房具に至るまで国産品の完成度の高さは素晴らしいものです。
そんな中、好景気だった80年代、90年代初頭の日本では「デザイナーズブランド」が服飾の中心であり、
また、デザインを世の中に発信したい芸術家たちが自分達の思いや信念を表現・発信することが許された貴重な時代でした。
その中でもひときわ個性を発揮し、針の先一本に至るまでの厳しさとこだわり、そして世界のさまざまな文化を服飾とプリントの世界に投じたデザイナーが金子功(カネコイサオ)さんです。
近年は連続ドラマ「カーネーション」でもその時代の服飾の原点をかいま見ることができましたね。
日本の服飾の世界が活気を帯びていた時代の「デザイナーズブランド」という枠組みのみで締めくくるにはあまりにも勿体無い、
70年代から日本のファッション文化の原点を作り、世の多くの女性たちに夢を与え、そして純国産の職人技の贅を尽くし、ブラウス、スカート、エプロンの既成概念を飛び越えて一枚の服を芸術の域まで高めたデザイナー・金子功の手腕をリアルタイムで体験してきた方々はもちろんのこと、
現代のファスト・ファッション世代と呼ばれる若い皆様にもぜひご覧いただきたいと思い、このたび「金子功作品の特設コーナー」を作るに至りました。
本来、アンティークとは約100年経過したもの、ビンテージとは約30年が経過した希少価値をもつものをさします。アイテムによってはまだ30年未満のアイテムも御座いますが、「将来のヴィンテージたりうるお品」という気持ちもあり、あえてヴィンテージ・ピンクハウスと言う言葉を使用させていただきました。
今の世の中に溢れている「テディベア柄、動物柄」の生地や洋服は、日本で一番最初に作ったのは金子功さんでした。
「国産」というと和のもの、塗り物などを連想される方が多いと思いますが、
私たちが生き、暮らし、目にしてきた町の流行や映画、ブラウスであったり、フルーツパーラーであったり、
そういった「一時は身近であったものだけれど、今は遠くなってしまったもの」も多数あることと思います。いまを生きる私たちも歴史の一員であり、たまには「ごく身近であった、最近の昔」に想いを馳せてみるのも楽しいものです。
思い入れも深く、一枚一枚時間がかかる場合もありますがお洋服の博物館を見るような気持ちでお楽しみいただけましたら幸いです。
また、発売された年代など私の記憶違いなども多々あるかもしれません。もし、間違っているよという場合は、どうぞお気軽にお知らせくださいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。